ミモザ

バラにラナンキュラスにマーガレット。

純白から覗く、小さい黄色のミモザ。

友人の結婚式に出席した彼女を、ホテルまで迎えに行った帰り道。

助手席のシートに身体をあずけた彼女は、どこか呆けたような顔をして、手にしたウェディングブーケを見つめている。

「疲れたのか?」

「そんなんじゃない」

夜景が綺麗に見えるという噂の駐車場に車を停める。ふと横を見ると、彼女の目から滴る涙が頬をつたい、顎先からブーケへ落ちていくところだった。

なにしろ、今日結婚した友達が嫁に行くまでは、自分も結婚をする気はないと、俺のプロポーズを断った女性だ。いろいろ考えるところもあるんだろう。

が……とりあえずその友人がさっさと結婚してくれて、俺は嬉しい。

そっと彼女の頭を撫でながら、ポケットの中の指輪の重みを確かめた.